まっちうり


http://catbottle.qp.land.to/ (倉庫の中にあります)

2006年8月から10月にかけて開催された「伺かアカデミー賞」略してウカデミー内の、飛び入り参加部門において発表されたゴーストさんです。ウカデミー、もう2年前になるんですね。
さてこのゴーストさん、一発ネタということでここでトーク内容について書いてしまうとインパクトが薄れてしまうので割愛させてもらいますが、起動してすぐのトークで面白い、かつ「どういうゴーストか」がわかってしまう、という、「飛び入り参加部門」という状況に適したゴーストさんで、狙ってやったものだと思います…感心しました。批判されるようなトークでもなく、聞いていて落ち込んでしまうようなトークでもなく、ただ面白い。私は暗い話は苦手ですのでこういうゴーストさんは凄く好きだったり。…というと少しネタバレになってしまってるかな?
とまれ、良い意味でわかりやすいゴーストさんです。時間が取れない人でも心配の必要無し!

SHIORIES


http://ms.shillest.net/
http://ms.shillest.net/shiories.xhtml
ゴーストさんを立たせているときには本体(SSPやDAE、CROWなどですね)とゴーストのデータ(ghostファイルに入っています)との他に、エンコードといいますか、それぞれのゴーストの辞書の記述を本体に出力させるために翻訳する?プログラムが働いていまして、それを「栞」というんですがその栞がゴーストになって出てきた!というゴーストさんです。
プレビューを見ていただければ分かる通り、常時3人、最大4人のキャラクタが出てくるのが一番目に付く特徴でしょう。女三人で姦しい…(と、里々さんは男の子でした)とか言いますが、掛け合いの連続でとにかく賑やかなトークを聞かせてくれます。
トークでちょっと面白いと思ったのは、この3人+1人は、ゴーストとして立っている間もやっぱり他のゴーストさんのサポートをしているということです。トーク内に「〜〜さんに呼ばれたよ」というものがよく出てきて喜び勇んで出て行く、もしくは帰ってくる、ということがあり、…ゴーストさんって、特に最近のゴーストさんには多くある形で、個々に過去や個性があって、その人その人にしか話さない話せないトークを聞かせてくれる…つまりプログラムというよりあるひとりの人間、知性体だ、と私に思わせてくれるのですが、このSHIORIESの3人+1人(しつこいですね(笑))は、完全にゴーストさんをゴースト、プログラムとして扱ってるんですよね。もちろん擬人化しているわけですから文字列の集まりとして対応しているわけではないですが、個々の知性体として見做しているのなら、そもそも「サポート」なんていらないわけで…。実際のゴーストの出力される仕組みを「擬人化」という枠の中でシミュレートして、バグが出るような辞書を渡された苦悩や混乱(自前でバグを出したりもしているようですが…)をキャラクタに語らせる、という表現は凡百のただ人型にしてみましたという「擬人化」と比べ頭一つ抜けた、本当の意味合いで「人に擬せ」ているんじゃないかな、と思います。
とまれ、そんなことを考えなくても単にやり取りが面白いゴーストさん、たまには裏方の苦悩を聞いてみてはいかがでしょう?
私がゴースト作るんだったら華和梨を使おうかなあ、とか思いました…出番少なさそうなんですもの。理解できるのは里々しかないんですけれど。

ラベンダー畑から


http://feath.no.land.to/

架空の国「スティヴァーレ」の片田舎を舞台にした雑談ゴースト(readme引用)とのことです。服装や雰囲気などから考えて南伊をイメージしているのでしょう(トマトのパスタが主体のようですし)。
話を聞くと、やはりそのスティバーレの印象…暖かく緑豊かで牧歌的なイメージを喚起させる話をしてくれます。最上というわけではないにしても、上位ランクには入れる「楽園」でしょう…こういうところに住みたい!と大声で言っちゃえる素敵な場所。国は違えどレイ・ブラッドベリ著「タンポポのお酒」の舞台に似た印象を感じました。そして、それ以上に強い印象を私にもたらしたのは、ローズマリーさんとラベンダーさんの、二人の距離と関係です。馬が合う、というんでしょうか、兄弟や姉妹のように以心伝心というわけではない他人同士ではあるのですが、凄く強い繋がりが感じられます。恐らくですが友情のほかにお互いがお互いに対して敬意のようなものを持って接しているために、「兄弟ほど近くない」けれど「ただの友人というほど遠くない」関係が表現できているのかなあ、と思いました。…ラベンダーさんのほうは態度や喜怒哀楽があからさますぎるせいで敬意という表現が似つかわしくないですけれども。
とまれ、明るく元気で仲のよいゴーストさん、ちょっとした擬似旅行を楽しもうと思われた方は、スティヴァーレに寄って見てはいかがでしょうか?

あぺとぺ


http://crosswhen00.web.fc2.com/

妖怪さんが二人…と数えるのかな?二人ともう一人で掛け合い会話をするゴーストさんです。シェルの線の色がセピア色なのか薄く、妖怪という「はっきりと実在するわけではない」存在にマッチしていると思いました。
ですが、トークはあれあれ…? 妖怪のゴーストさんと聞いてイメージするのは、田舎っぽかったり伝統を守っていそうな雰囲気でしょうけれど、このゴーストさん、どうにも通俗的といいますか現代っ子のような考え方をします。たしかに妖怪だからって素直で素朴って決まったわけじゃないですよね、シニカルだったりしても可笑しく無いです。妖怪というもののイメージとこのゴーストさんの話すトークとのギャップが面白く感じました。
もう一人の猫娘さんとのトークは、打って変わってその妖怪イメージに近いトークをしてくれます。従来の(?)妖怪を求める方も安心してトークを楽しんでいただけるお得仕様です。
最後に個人的な感想。とぺさんがあぺさんの話にほとんどそのまま繰り返すような会話を返すのがちょっと可愛い。

ゆーこちゃん

http://2662.tyabo.com/index.html

伺か@Linger内の企画テーマゴースト『ギャルゲーヒロイン的な何か』のうちの一人、山本優子さんです。当ブログでも何度かこの企画によって誕生したゴーストさんを紹介しています。特徴として、この企画によって作られたゴーストさんはみな同じ町に住んでいる、ということが挙げられます。より積極的な形のFSW(フリーシェアワールド)と言うことも出来るかもしれません。
優子さんのトークは、短くそして他愛の無い話です。特に深刻な内容を話すわけでもなく意味深げな言い回しをするわけでもない、一つ前に紹介させてもらった月子さんに比べてみればまるで深読みをしなくていいトークを喋りかけてきます。例えば、アイスが美味しい、だとか、犬と猫はどっちが好き、だとか、なんということもなくまた特に回答を求めているわけでもなく。そのトークを聞いていると、友達とただ喋っている(ダベっているというやつですね)気楽さ、気安さが感じられて心軽やかな気分になります。
玉に瑕なのが、トーク数が少なめなことですか…まあものすごく量が多くていろんなことを話す、というのも逆になにかキャラクタ崩れがおきそうな気もしますが、もうちょっと多ければもっと嬉しいかな〜なんて思ったり…。とまれ、肩肘を張らないトークが聞きたい方は優子さんに付き合ってみてはいかがでしょう?

月子


http://homepage3.nifty.com/mahouya/uka/
(プレビュー画像は私が独断で制作したものです)

ユーザーさんのことが好きな、ソロゴーストさんです。
シェルは一枚のみでトークに応じた表情変化は無く、またそのシェルも主に白と黒のモノトーンカラーで構成され、視覚的なインパクトは小さくあります。
月子さんはつねに無表情…表情を変化させること無く話します。どんな話題でも、優しい話題でも過激な話題でも問いかけるような話でも、いつも淡々と話します。ですから…本当にそう思ってるのかなあ、とか思ってしまったり。自分のことが嫌いか?と聞いておいて、それをするりと受け流すトークだったり、「フェイクです。それも。」と言ってみたり、おそらくユーザーさんのことをとても好きなのは本当でしょうが、その後に続くトークが本心から出ているのかそれとも丸っきりの裏返しのトークなのかわからない、なんとも食えないトークをするのが印象に残りました。
でも、そんな中でもユーザーさんのことが好きだという気持ちを話すトークは若干怖いほど熱のこもったもので、その食えないトークとの温度差が、見た目淡白でトークも霞を掴むような、この月子さんに強い存在感をもたらしていて、少し留め金を掛け違えれば「印象に残らないゴースト」という感想を持ってしまうところをぐっと引き寄せてきます。
…本心を見せないところ、そして強い愛情、無表情などが相まって、トークをずっと聞くうちに、次第になにやらプレッシャーを感じてきました。危険ではないけれど怖いゴーストさん。そんな感想を私は持ちました。

Live + Drive


http://mono.qooro.net/

宇宙の長距離配達業を営んでいる二人組みのゴーストさんです。宇宙に出て行っていることでも分かりますがこのゴーストさんの世界において、技術力は相当に高いものであり、左の白い服を着た人は「シンカロン」というアンドロイドのようなもののようです。
そして、そのアンドロイドというところがトークに実にうまく表現されているのがこのゴーストさんのトークの特徴。人とアンドロイドの会話っていうのはこういう風なんだろうなあ、と感じさせる、人の情緒や感傷の篭もった言葉と、シンカロンのとても理性的で正確な発言との対比が面白い。それでいてまた不思議とその冷静で理性的な言葉が人情味に溢れているようにも聞こえてきます。宇宙船の中、周りには生き物一人いない孤独な宇宙空間で、二人でぽつりぽつりと言葉を交わしていく情景がイメージ出来て、あーズルい、このゴースト。なにも知らなければよくある雑談ゴーストさんだけれども、設定が憎らしいほど上手いです。
もう一つ、上に記載した作者様のサイトでおまけの小説が一本あります。このゴーストさんをインストールする前でも、した後でもいいんですけれど、一読してみてください。このゴーストさんが「どういうゴーストなのか」がとてもよく理解できる小説です。
…静かなイメージのゴースト、落ち着いた雰囲気があります。